シャトー・グラン・ピュイ・デュカスは、ポイヤックの第五級格付けながらも消費者やジャーナリストの意識に入ることはありませんでした。
現在の価格がほかのほとんどのポイヤックの格付シャトーを下回っているのは間違いないですが、定期的に高品質なワインが造られるようになった今となっては目立ったお値打ち品となっています。
このシャトーの現代的なセラーは、美しい葡萄畑の中ではなく、ポイヤックの中心部にあります。
1971年に始まった大改修と植え替えの総仕上げとして1986年には、コンピュータ制御のステンレス・タンクを備えた新しいキュヴェリー(ハイテク醸造所)が設置されました。
オークの新樽の使用率は50%にまで引き上げられ、その結果品質が劇的に向上し、格付シャトーの名に違わぬレベルにまで引き上げられました。
畑は立地に恵まれており、1区画はムートン・ロートシルトとラフィット・ロートシルトに隣接し、1区画はバタイエにほど近い砂利質の丘にあります。
こういった地の利からして、ボルドーファン、ポイヤックファンにとってもっと注目されてよいシャトーであるといえます。
グラン・ピュイ・デュカスのスタイルは他のポイヤックと比べて、タニックで硬く内向的なのではなく、フルーティでしなやかです。
こういった特徴から大部分のヴィンテージは5年以内で飲めるようになりますが、10年から15年は持ちこたえられるだけの潜在能力も持っています。